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足首の捻挫によって来院された患者様の一例

2015.07.01 | Category: スポーツ,健康,柔道整復

【患者情報】
十代 女性 運動部に所属
運動中に足首を捻ってしまったと言って来院されました。
受傷から10~15分という、異例のスピード来院で、当院での最短記録に近い来院でした。
当院へは以前から来院されている患者さんで、始めて来院する際のドキドキ感・不安感は無かったはずです。
社会歴もある程度つかめており、通常ならば来院されないような時間に来院されました。

【問診・診察】
今回も扉を開けた時点から視診がスタートし、状況を確認していくわけですが、
捻挫の場合まずは歩行可能か?という点が大きな情報です。
よって、来院されたときに何で来たのか(歩いてきたのか、誰かに支えられてきたのかなど)重要になります。
↳今回は自分で自転車をこいで来院されました。

ベッドの方へ誘導した際にも歩行しており、診察に入ったわけですが、
表情は硬く、恐らく一度泣いてしまったような顔つきでした。
女の子の場合や運動レベルの高い選手は精神的な動揺からの涙と、
本当に痛みの苦痛からの涙というのも見分けながら診察が必要です。

緊張を取るようにくだらない話題も交えながら話を聞いていくと、当初はびっくりするほど痛かったが、
何より大会目前の怪我に動揺して涙したとの事でした。

実際に検査を行っていく前にまずは発生機序といって、単に捻ったといっても、

『どのような状況からどういう力がかかり、どう捻ったのか』

細かく聞くことが何よりも重要になります。
運動選手ではやや動揺がある場合に怪我をした状況を覚えていなかったり、
あまりにも一瞬の出来事で選手自身も何が起こったか分からなかったりすることも多々あります。

そんな場合は、直前の動作から何をしようとしてアクシデントが起こったのか順を追って覚えている瞬間まで聞き出します。

これにより本来損傷を受ける場所の推測と、損傷の範囲による酷さがはっきり表れます。

単にこっちに捻ったと言われるだけでは、どこにどれだけの力がかかったのか分からないので見落としの原因にもつながります。
しっかり話を聞いてくれる先生というのは、煩わしいと思わないでくださいね。

実際の写真です。

受傷直後だったのもありますが目立った腫脹や内出血はありません。
歩行可能だった点も考えれば軽傷で大会が近いための精神的動揺の可能性も考えられます。
考えられる怪我は
・一般的な外側の靭帯の損傷(経度~中等度)
・外側及び内側の靭帯まで複合した損傷(重度)
・靭帯損傷のみならず骨折まで及んでいる
・その他組織の損傷

本人も一瞬のことで覚えていなかったのですが、怪我をした動作の直前から動きを聞き出し推測すると、

着地した際にそのまま崩れこみ、一般的な足の裏が内側を向く、内返し捻挫に近いが、実際は足首を軸に内側に捻じれた形になります。

診察をすすめていくと自己申告する痛みの部位も、一般的に痛める外くるぶしの周囲だけでなく、
内くるぶしのやや上にも圧痛部位が認められます。
また、介達痛といって痛い部分から少し離れたところを叩いて衝撃を与えた際に患部が痛む症状も診られました。

内くるぶしの上には靭帯組織等は無く骨が触れる部位です。

骨折の徴候は①疼痛②腫脹③熱感④機能障害の症状に⑤異常可動性⑥軋轢音⑦転移と変形が固有症状になります。

介達痛も骨折の可能性を疑わせる症状で、今回は⑤⑥⑦ははっきりと診られなかったものの怪我の発生起点から骨折の可能性(亀裂程度)はあると判断しました。 

【施術と対応】
転移や変形はみられなかったので、オルソグラスというギプスの一種にて簡易固定し、病院への搬送手続きを行いました。
先に述べた通り自転車にて自力で来院されたという点と、自宅が近所ではなく親御さんを待っている時間が無い点を考慮して当院のスタッフが車を出して搬送しました。
当初は、近くの整形外科へ連れて行こうと考えましたが、予め電話にて問い合わせを行った結果受け入れを拒否されてしまい、救急指定の医院へ搬送しました。

【診断結果】
・脛骨内側果骨折
実際の図です。
                 

内果に垂直方向の骨折線が入っているのが見て取れます。
通常このような骨折の場合痛みも尋常ではなく、他の所見もはっきりと表れていい状況です。

自立歩行が可能・安静時痛がみられないという点・腫脹や出血斑が出ないという点から思いもよらない結果でした。

その後別医院にて、今後の競技日程・レベルからオペによる固定が必要と判断され、後日オペが行なわれました。
手術前にお見舞いに行くと「怪我をしたのがウソのように痛みが無く、誤診ではないか?と思うような状況」と言っていたのには本当に驚かされました。
患者さまの主観だけで油断をせず、患部以外も含めた視診・発生機序の細かい聴取が功を奏した一例となりました。

当院へのアクセス情報

宮町鍼灸整骨院

所在地〒980-0004 宮城県仙台市青葉区宮町2-1-47 阿部幸ビル2F
駐車場5台あり
電話番号022-268-0855
休診日日曜日
年末年始・盆期間中
院長鈴木 一誠

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