サッカー中の大怪我。脛骨骨幹部の横骨折・・・
じょじょに春らしくなり花粉症の方にはきつくなる今日この頃、テンクルパーは赤十字が主催する救急員陽性講座を受講してきました。
救急員とは災害が発生したときなど、怪我の応急手当や一次救命処置・骨折などの搬送を行う知識と技術を有することを赤十字が認定証明する資格です。
AEDの使い方や搬送法を学んだ当日!!
当院へまさかの重症患者さんが来院されるじゃないですか・・・・
学んだばかりのやつが・・・・
写真では分かりずらいですが、コンパートメント症候群様にパンパンに腫れあがり、足部の血色が悪くなっています。
応急手当をしたのち連携を取っている病院へ紹介手続を行い、診察に帯同してきました。
詳細は以下の通り
【高校3年生】
60人強のサッカーチームのレギュラー
【発生機序】
昨日のサッカーの部活中にボールを追いかけて足を出した際に相手と接触し右のスネをぶつけて負傷
受傷直後から動けない状態になるも打撲と判断してアイシングを行って様子を見ていた。
【経過】
受傷後寮へ帰宅し、そのまま翌日も通常通り学校へ行ったもののチームメートが見かねて当院へ連れてきました。
スネのみならず足先までパンパンに腫れあがり、限局する疼痛部位もあったので応急手当ののち連携を取っている整形外科へ転医させました。受付時間ぎりぎりで連絡を入れ向かいました。
たまたまタイミングが合い診察に帯同してきたのですが、ドクターも昨日の負傷と聞いて半信半疑。とりあえず写真撮ろうとなり、レントゲン撮影。
撮影の間別のところで待っているとドクターも血相を変えて
「手術だな。ボッキリと折れてる・・・・さてどうしましょう・・・・」
だれがこんな姿で1日通常通りの生活をしていたことを想像するでしょうか!??
今回帯同して良かったというのがここからです。
患者さんは他県から来ている寮生で、保護者はもちろん近くにいないのですぐ来れません。
緊急を要する事態に決断を迫られるわけです。すぐさま保護者に連絡を入れ状況説明を行いました。
①仙台で入院・手術する②地元へ帰って手術する③この春卒業で大学へ進学(サッカーは続ける)のため大学のチームドクターが居るまたは推薦する病院へ向かう
様々な選択肢の中ひとまず、手術可能な総合病院へ連絡を入れてもらい精密検査を行い、状況を見てから決断することに。
東北公済病院へその足で向かい、再度診察に立ち会うと、処置室で待ち構えておられたのはベガルタ仙台のチーフチームドクターを務めた岸本光司ドクターで、夜間救急でしたが精密検査を行いました。
精密検査を受けている間に保護者へ電話連絡し、再度状況説明を行いました。
突然の事態に保護者も戸惑うところで、いきなり手術が必要と言われて即断できないところですよね。
保護者は大きい病院と聞いてもどこぞの誰かもわからない方に委ねる不安をおぼえていました。
そこで、今回担当して下さった先生はベガルタのチームドクターを務めていた先生であり、仙台で治療を受ける上ではサッカー競技に明るく信頼を置ける先生である点、必要とあらば最低限の処置を行い、転医の手続きを行うことが出来ることを説明すると、一応安心をしていただけました。
そこからはもう緊急入院です。
一通りの問診やら検査やら入院の説明やら・・・・
学生一人で行っていたらわけ分からんことになっていたでしょう。苦笑
昨年に入院していたテンクルパーにとっては懐かしい手続きに保護者代理で中継役。
少しは役に立てたでしょう。
念のため進学先の監督にも連絡をしましたが、仙台で治療してから行くことで一致し、オペとなりました。
今回は特例と言いますかことのほか大きなけがでしたが可能な限りは患者さんの希望があれば病院へ帯同したいと思うテンクルパーでした。