交通事故のむち打ちによる頭痛やめまい、気持ち悪さは?

火曜日の宮町鍼灸整骨院のブログ担当の和田です。火曜日の2週に分けていかについて解説していきます。

・事故に遭った際に首に起こる事

・むち打ち症は4つに分類される

・バレー・リュー症候群とは?

・頭痛やめまい、吐き気の原因になる事

・星状神経節とは?

・当院ではどの様に施術するのか?

○事故に遭った際に首に起こる事

後ろから車に追突されたケースについて頚椎の運動解析をしたところによると、衝撃の大きなケースでは上位頚椎に損傷が強く起こり、低速での衝撃では下位頚椎に損傷を受ける可能性が高いそうです。

そこに加えて、被害に遭った際の姿勢や、不意打ちかどうかなど様々な要因が重なって重症・軽傷、種々の症状が現れます。

○むち打ち症は大きく分けると5つに分類されます。

①頚椎捻挫型

最も多く頚椎を支える靭帯や筋肉、関節を損傷するケース。

②神経根症状型

脊髄から枝分かれした神経の根本が障害された場合に起こる手指への神経症状を伴うケース。脊髄から枝分かれした神経は背骨の後ろの隙間から各支配する場所へ向かいますが、出口の狭小や骨棘によって炎症を引き起こして支配先への放散痛や痺れを起こします。

③バレ・リュー型

後述いたします。

④脊髄症状型

最も重く症状が出ます。脊髄とは、脳から連続する中枢神経で、脊椎の中の脊髄腔を通っています。脊髄が損傷すると身体の麻痺、知覚障害、歩行障害が起こることがあり、下肢に伸びている神経が損傷すると下肢の痺れや知覚異常が起こり、歩行障害につながります。膀胱や直腸の障害が起こり、排便・排尿に支障をきたす恐れもあります。

⑤脳脊髄液減少症

脳や脊髄は「プールに浮いている人」の様に脊髄液によってプカプカと浮いていて衝撃などから守っていますが、この液体が包んでいる膜の損傷により漏れ出てしまうと、脳や脊髄に障害が起こります。

○バレー・リュー症候群とは、交通事故によるむち打ちなど、外傷によって首周りを損傷する事により、自律神経に不具合が生じ、めまいや頭痛、耳鳴り、ふらつき、疲労感、腕の怠さなどの症状を起こした状態を言います。

○頭痛やめまい、吐き気の原因はどこからくるのか?

首は広範囲を見渡すために可動性が高く、脳から各部位へ向かう神経の枝分かれする前の太い神経が通って行きます。

その枝分かれした神経が下の図の通り様々な方向へ走って行く為、そこに急激に強い力が掛かると炎症を起こし、症状を引き起こします。

数ある中でも特に多いのは以下の3つのパターンでは無いでしょうか。

※後頭神経痛による頭痛のパターン

先週の解説にも類似しますが、事故による衝撃で首の後ろの筋(後頭下筋群)の緊張が強く起こってしまった際に、①大後頭神経②小後頭神経③大耳介神経が締め付けられ、障害された神経の走行する部位に頭痛を引き起こします。

※椎骨動脈の血行障害によるパターン

椎骨動脈は脳を養う重要な動脈で、頚椎の横にある突起の中を通って進み、頭蓋骨の底を走る脳底動脈へと行き着きます。

この重要な動脈は図の様に頚椎から急な角度で頭蓋骨へ向かう為、衝撃が加わると影響を受けることは容易に想像できるでしょう。

※交感神経の過緊張によるパターン

図の様に首から出る神経の中でも交感神経と言って活動的になる(興奮させる)神経が出ています。この神経が過緊張になる事によって支配を受ける種々の場所が障害を起こし頭痛、めまい、吐き気、眼精疲労、易疲労感といった症状をきたします。

交感神経が働くと興奮する、活動的になるための作用を起こします。逆に副交感神経が働くとリラックスする状態、身体に栄養を吸収させるなどの作用を起こします。

特に顔面・頚部・上肢・上胸部へ影響を与るのが星状神経節と言われる部位で、各方面へ向かう交感神経の中継点になります。

次週はこの星状神経節の解説から行いたいと思います。

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