膝の裏が痛いっ!・・・・膝窩筋障害
みなさん、こんにちは。
宮町鍼灸整骨院 院長のおしょーです。
今日は、あんまりメジャーじゃないけど、膝裏の痛みについて。
高齢者の方の膝裏の痛みではなく、アスリート・・・特によく走る人に起こることがある膝裏の痛みについてです。
もちろん、いろいろな原因やパターンは考えられるのですが、今日は「膝窩筋」というマイナーな筋肉に絞って考えていきましょう。
こんなところに、こんな風にくっついている筋肉なのですが・・・
何をしているかというと・・・
脛骨(スネの骨)の微妙なタイミングでの微妙な内旋です。あとは膝の屈曲の補助ですかね。
この微妙な動きに何の意味があるのか?
例えば、歩行や走行の際に、地面に足をつきますよね。
それをもう少し細かく分析していくと・・・
まず、踵が地面につきます。
そして重心が踵から、足の裏を図の(1)から(5)に向かって移動していきます。
この際、(4)のあたりで、急に親趾側にシフトしていくのがわかりますよね。
なぜシフトするのか??
別に意識してやっているわけではありませんね。
自然とそうなるようにできているんですね。ヒトの歩行っていうものは。
自然とそうなっているのですが、その自然のなかに膝窩筋のスネの骨を内旋させるというはたらきが加わっているのです。
細かく言うと、膝窩筋は伸びきった膝を曲げ始める、そのスタートスイッチのように働いています。
膝は完全に伸びきるときに、スネの骨がわずかに外旋し、そこで軽いロックがかかって安定性が上がります。
そのロックを外す・・・つまりスネの骨が外旋=ロック! 逆にロックを外すには=内旋 させればいいわけで、これを膝窩筋が行っています。
その瞬間が、足裏の重心のシフト移動のタイミングと一致しています。
それと同時に足首(距骨下関節)のロック、つまりガチッと固定したり、フニャッと緩めたりと連動しています。
踵が地面につくときは、足首はガチッと。
重心が前にスライドしていくときは、フニャッと。
そして最後に親趾あたりで地面を蹴るときは、再びガチッと。
この複雑な連動の繰り返しで、歩行の重要な一部分が成り立っています。
歩行を陰で支える膝窩筋なのです。
さらに、歩行や走行をストップさせるときに、
そのブレーキの反動で、大腿骨が前方方向にスライドしようとするのですが、
急ブレーキの際は、前十字靭帯が主役で、この前方スライドを制動するのですが、
もうちょっとソフトな、微妙なブレーキにおける軽い制動は、膝窩筋が頑張っています。
さて・・・
こんな縁の下の力持ちのような、膝窩筋ですが、
たくさん走るスポーツをする人で、痛めてしまう人がいます。
特に、大腿部の筋肉のバランスが悪い人に多いようです。
大腿部の筋肉のバランスとは、大雑把に言えば、大腿四頭筋とハムストリングのバランスですね。
これが、大腿四頭筋側が強すぎたり、緊張して硬くなり過ぎたりしていると良くないですね。
大腿四頭筋+腸脛靭帯の膝伸展ロックのパワーが強いので、それを解除しなければならない膝窩筋は大変なわけです。
それが使い過ぎ(オーバーユース)で、小炎症を繰り返すと、徐々に膝窩筋の機能障害を起こしていきます。
そして、膝の裏が痛い、膝の外側が痛いなどの訴えを起こし、さらには股関節や仙腸関節へも影響を波及させる恐れもあります。
さて、そんな膝窩筋のトラブルですが、
その治療法について・・・は次回に!
おしょー