頚部痛の原因の一つにヘッドフォワードといわれるものがあります。この記事では以下について解説していきます。
○ヘッドフォワードとは?
○原因は何か?
○引き起こされる症状は?
○理想的な環境、と対策は?
・ヘッドフォワードとは?
理想とされる重心線は横から見て
「耳垂・肩峰・大転子・膝関節前部・外果の前方」
が直線に並ぶ状態です。
コレに対して各部位に印をつけて見た時に、頭部が前方に位置する事をヘッドフォワード(head-forward)と言いますと言います。
・原因は?
姿勢は骨格の様な遺伝的な要素に加えて、生活習慣・環境・仕事・運動といった後天的な要因で形成されます。
①現代において必須となっているPC作業、スマホなどのディスプレイを覗き込む様な姿勢、うつむいた姿勢の勉強などを長時間行うことにより起こる不良姿勢
②高すぎる枕によって、①で述べた不良姿勢をさらに増強させる
③体幹筋が弱くなり、支える力が低下すると重力に負けてしまい悪化してしまいます。また、肥満によるぽっこりお腹が進むと、支える為に姿勢は崩れ、不良姿勢は進んでしまいます。
・引き起こされる症状は?
①肩・首の凝り(こり)
前に突き出てしまった頭を支える為に首周りの筋肉は常に緊張してしまい、首・肩こりを引き起こしやすいです。いくら湯船に浸かったり、お薬・湿布を使っても悪い姿勢が続くので、症状はひきません。
②頭痛を引き起こすことも
図の様に頭の動きを調節する筋肉は多種多様に走行していて、その筋の隙間を神経と血管が走っています。この神経や血管を圧迫したり、刺激されることに「緊張性頭痛・後頭神経痛・めまい・吐き気」などの症状が出ることがあります。
③腕や手指への痺れ
本来の骨(頚椎)とクッション(椎間板)の角度から逸脱してしまい、神経の出口が障害されると、各神経の支配する場所へ痺れや疼痛が現れます。
進行すると頚椎椎間板ヘルニアや、頸椎症性神経根性といった疾患を引き起こすこともあります。
・理想的な環境と対策は?
①モニターを目線より40~45°下にして、50㎝以上離れる。
②腕は肘置きやデスクの上に置く。
③肘の角度は、90°以上にする。
④背中は背もたれに当て前屈みを避ける。
⑤足は組まない。
上記に加えて長時間の作業の合間に肩甲骨を大きく動かして巻き込み肩を改善する様にしましょう。
肩甲骨を大きく動かすには、肘を胸の前に突き出し、その突き出した肘で大きな円を描く様に動かしてあげましょう。
さらに、直立姿勢を保つのに抵抗する臀部・下肢の筋肉はほぐしてあげる必要があります。
詳しくは当院へご来院して頂けますと幸いです。
次週の同じ曜日は後頭下筋群について少し詳しく解説いたします。
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